くろみき電波塔。

とりあえず続ける。

看板 ≒ わびさび

どうして、わたしは看板に惹かれるのか。

といっても、看板ならなんでもいいと言うわけでもない。

「個性的な文字が好き」ということはもちろんあるのだけど、個性的な文字をまとった看板の中でも、ものすごく惹かれる看板とそうでない看板があるのです。

そこに気づいてから、ずっと文字が好きなんだと思い込んでいたけれど、なんだかその理由だけではない気がして、自分の中にある微妙な感覚を説明しようと考えても言葉が見つからなくて、悶々とした日々を送っていました。

 

そんな時偶然出会ったのがこの本。(図書館でお借りしました)

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『わびさびを読み解く』Leonard Koren

 

“わびさび”=日本人が持つ独特の美学

くらいの漠然としたイメージしか持っていないわたしは、その美学を説明しろと言われても到底できません。

 

この本の中で、その“わびさび”を“モダニズム”との差異を用いてわかりやすく説明してくれていました。(一部抜粋)

モダニズム

  • 絶対的
  • 普遍的でプロトタイプ的解決策を模索
  • 大量生産/モジュール式
  • 未来志向
  • 鋭く正確で一定した形と縁取り
  • 行き届いた管理を要する
  • 潔癖さが表現をより豊かにする
  • 曖昧さや矛盾に非寛容
  • 冷たい

わびさび

  • 相対的
  • 個人的で型破りな解決策を模索
  • 一点もの/可変的
  • 即今志向
  • ソフトで曖昧な形と縁取り
  • 劣化や消耗を受け入れる
  • 腐食や汚れが表現をより豊かにする
  • 曖昧さや矛盾に違和感がない
  • 温かい

 

そうか、例えばオリンピックのロゴは“モダニズム”要素が強く、わたしがどうしても惹かれてしまう看板たちには、“わびさび”要素が強いのだと腑に落ちました。

 

わびさびは生命のはかなさの美的鑑賞である。

(中略)

わびさびのイメージは、私たち自身の生命に限りあることを直視させ、存在することの孤独と静かな悲哀を感じさる。私たちはまた、すべての存在が同じ運命を分かち合っていることを知っているがゆえに、ほろ苦さの入り交じった安堵の気持ちをも抱くのである。

 

看板は単なるデザインとして存在しているのではありません。

その場所、そのお店に関わる人びと、そしてそこで生き続けてきた長い年月、すべてひっくるめて今存在している。まったく同じ物など作り出せない、とても貴重なものなのだ、と改めて看板の魅力を再確認しました。

 

そして、今まで出会った“わびさび”を感じる看板たちを、少しでも“わびさび”を感じてもらえるような方法で残していきたいと思い、小さな小さな冊子を定期的に作っていこうと決めました。

最初は、コストかからないブログなどで紹介していくことも考えました。そうすれば、スマホやパソコンのディプレイを通して、より多くの方に見てもらえるし、大きく劣化することなくデータとして埋もれながらも残ってくれると思います。

でも、汚れたり、色あせたり、日に焼けたり、折れ曲がったり、破れたり、しみがついたりしながら、手に取ってくれた人と一緒の時間を過ごしていってほしいと思い、この方法をとりました。

記念すべき第1号。

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どこかで見かけたら、手に取っていただけるとうれしいです。

 

はい、風邪気味です。

1月31日に職業訓練校を卒業し、2月1日から新しい職場も決まり、1年ぶりに会社員に戻った。

その矢先、風邪をひいた。鳥取に来てから、やたらと風邪をひく。どうにか平日は持ちこたえたものの、土曜日はダウン。心細い上に、私が唯一頼りにしているパブロンも切らしていたため、力をふりしぼって出かけることにした。

 

まず立ち寄ったのは「わたせ」。

毎週土曜日に通っていたが、2月に入ってからは出勤前とお昼休み、1日2回お世話になっている喫茶店。毎日通ってはいるものの、ゆっくりと過ごすことがなかなかできなかったので、土曜日にいつも通り過ごせるのを楽しみにしていたのだ。体調的にコーヒーが飲めるテンションではなかったが、おかあさんに会いたくてつい入ってしまった。

おかあさんは風邪をひいている私を見て、コーヒーではなくビタミンが豊富だからとお抹茶を出してくれた。さすがである。

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出かけるまではだるさがひどかったけど、わたせでゆっくり過ごしていたら、少し楽になった気がした。温かい鍋にして食べなさいと、帰りに鳥取県産「やなぎまつたけ」とにんじんをお土産にもたせてくてくれた。

本当にお母さんみたいで、わたせのおかあさんに出会えただけでも、鳥取に住んでよかったなと思える、私にとって大切な存在である。

 

次は、薬の調達。病院に行こうかとも思ったが、リノベーションスクールがきっかけで出会った「吉田一陽堂薬局」に立ち寄ってみる。少し忙しそうな吉田さんには会釈をして、従業員の方に対応してもらう。症状を細かく聞いてくださり、それを伝えると総合かぜ薬と栄養ドリンクをお勧めしてくれた。

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会計を済ませると、吉田さんが声を掛けてくれた。体温計を持っていないので、熱があるかどうかもわからなかった私に、体温計を貸してくれる。熱は、37.2℃。平熱が低い私にとっては少し高めの体温だったが、「体が戦うにはちょうどいい温度だから、あまり冷やさない方が良いね」と生姜の入った温かいドリンクを差し出してくれた。

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帰り際には、鼻をかみすぎて赤くなった鼻の下を見て、クリームまで持たせてくれる心遣い。病院に行くよりずっとよかったかもしれない。

 

家に帰ってから、鍋はできなかったけど、わたせのおかあさんに教わったさつまいものおかゆを作り、それを食べ、かぜ薬を飲んで、栄養ドリンクを飲み、鼻の下にクリームを塗って、眠りについた。

 

そして、朝を迎えた。完全復活。昨日のだるさが嘘のように体が軽くなっていた。

 

ふと地域で暮らすってこういうことなのかな、なんて考えた。

今までは地元といっても、行きつけの喫茶店があるわけじゃなく、行きつけの薬局があるわけでもなかった。

毎日朝から夜まで仕事して、休みの日は都内に遊びに行って。家族でも友達でもない誰かと深く関わることなんて、何もなかった。

 

鳥取では、ずっとそこで暮らしてきた人の温かさを感じることができる。

 

だから、私もまずはきちんとここで生活してみようと思った。普通に仕事をして、日々を暮らす。その中でしか、見つけられないことがきっとたくさんある気がする。

 

今までどこか非日常的だった鳥取での生活を、日常にして楽しみたいな。

 

 

おかあさん、吉田さん、おかげさまで私は元気になりました。

明日から、また仕事をがんばります。

本当にありがとうございました。

そして、これからもどうぞよろしくお願いします。

 

 

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今日はパンの日。

場所:鳥取県鳥取市

 

看板じゃないけど、どうしても可愛かったので許してほしい食べ物シリーズ第一回。

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まず、色使いが素晴らしい。私の大好物である反対色祭りが、白あんぱんとクリームパンにより、このカゴの中で繰り広げられていた。

 

合わせて商品名にも注目してほしい。ふっくらとしていて、甘くてまろやかな黄色いクリームをイメージさせる「クリームパン」の文字。どこか懐かしい落ち着く字体である。

それに比べて、「白あん」の文字。モデルは、誰かがマッキーの太い方で書いた字ではなかろうか。そう思い込んだ私は、マッキーは持ち合わせていなかったので、蛍光ペンの太い方でノートにひたすら練習してみた。

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一発で描けるかと思ったが、やはりデザインがそこにはあった。線の太さや細さが調整されていて、はじめてうまいことまとまるのだ。蛍光ペンで描こうとしてもペン運びに工夫が必要だし、それらしい字は描けるけやっぱり違うんだ。

自分で文字を描くことで、文字と向き合ってみるのもたまにはいいね。

 

今週末は、いよいよ一日限りの看板探検隊発足!

tottori-susume.com

いつも一人でやってることを、みんなでやってみようと思います。

 

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鳥取1年記念日の2日後。

はじめての鳥取旅行から、11月11日でちょうど一年が経った。

 

ただ、砂丘が見たかった。

植田正治ごっこがしたかった。

ひとりだったのでできなかった。

でも、ラクダに乗れた。

パンケーキを食べた。

たくさんの知らなかった人たちに出会えた。

 

仕事を辞めたかった。

人間関係をリセットしたかった。

もっと面白いことをしたかった。

何もできないのは、環境のせいだと思っていた。

仕事のせい。

埼玉のせい。

 

変われる気がした。

 

4月、友達も親戚もいない鳥取に引っ越した。

 

さらにたくさんの人と出会った。

自由な時間。

非現実的な現実。

たのしい。

不安。

さみしい。

自分の弱さを知った。

 

たくさんの人と仲良くなった。

いろいろ誘ってくれる。

手伝い。

バイト。

仕事。

刺激的。

たのしい。

不安。

八方美人。

結局自分から何もできない。

自分の無力さを知った。

 

さらにさらにたくさんの人と出会った。

職業訓練

決められた毎日。

収入。

安心する。

わたしは、ゼロからイチを作り出せない。

作り出す熱量もない。

考える力もない。

本当の自分が見えてくる。

 

きれいごとばかり言っていられない現実。

現実と理想の幅がありすぎて、どんどんどんどん自分が嫌いになる。

 

仕事を辞めてまで、鳥取に来た意味あったかな。

旅行だけでやめておけばよかったのかな。

 

そしたら、今頃どうしてたかな。

 

いろいろ気づくのが遅すぎた。

親のありがたみ。

友達のありがたみ。

恋人のありがたみ。

福利厚生のありがたみ。

スタバのありがたみ。

仕事のありがたみ。

埼玉のありがたみ。

槇原敬之のありがたみ。

20代で気づきたかったな。

 

でも、鳥取に住んでいなかったら、今あたりまえのように会える鳥取のみんなと知らない人のままだったんだ。

 

新しい友達。

アーティスト。

喫茶店のおかあさん。

喫茶店のおじさん。

青い海。

砂丘。

おいしい刺身。

おいしいちゃんこ。

おいしいうどん。

蟹汁。

大山の新米。

 

やっぱり来てよかったかな。

 

11月11日を迎えて、ついセンチメンタルな気分になってしまった。

 

そういえば「麻雀クラブ ナポレオン」のドアのシールが新しくなっていた。

 

最近 ↓↓↓

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出会った頃 ↓↓↓

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まるで、イトーヨーカドーの看板がセブンアンドアイに変わってしまった時のような衝撃。さみしいよ。

あって当たり前だなんて思っていたら、あっという間になくなってしまう。

看板も仕事も人も、その時の出会いと過ごす時間を大切にしないといけないんだね。

ナポレオン、教えてくれてありがとう。そしてさようなら。

 

鳥取の冬が始まる。

 

 

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鳥取のナポレオン

場所:鳥取県鳥取市

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 麻雀クラブ「ナポレオン」。

ひっそりと、そしてやさしく、いつもドアが開いている。

ただ、さすがの私もあの暗闇の2階に奥に足を踏み入れる勇気は、まだ出ない。

麻雀ではなくドラえもんドンジャラで育った私に、麻雀を覚える機会など訪れなかった。

9月から職業訓練校に通い始め、毎日の生活範囲が少しだけ広がった。毎日バスに揺られながら眺める景色も、学校周辺の景色もとても新鮮だ。何より、「麻雀クラブ ナポレオン」に出会えたことがとても嬉しい。

 

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はがれかけたシールの文字が、「ナポレオン」の歴史の長さを物語る。一見統一感があるように思えてしまうが、よく見ると「麻雀クラブ」と「ナポレオン」の文字の雰囲気が微妙に異なる。

「麻雀クラブ」の文字は手作り感があふれていて、「ブ」の濁点がクローバーになっているところなど、可愛いらしい遊び心がにじみ出ている。トランプの柄の中でもマイナーな上に、ハサミで切るのも一番面倒くさそうな柄のクローバーを選んだあたりに、優しい愛を感じた。

もう一方の「ナポレオン」の文字は、縦ラインが太く強調されており、その上のナポレオン本人の勇ましいシルエットと合わさり、力強さが表現されている。そして、やっぱり触れずにいられないのは、「ン」の点である。そこには、妙にリアルで繊細な麻雀牌が描かれている。この絵は麻雀牌と本気で向き合わなければ、描くことができないだろう。

以上のことから、麻雀に本気で取り組む男性たち、それを優しく見守る女性たちの姿が思い浮かんだ。きっとここには、さまざまな物語が詰まっているに違いない。

そして、この風貌で『賭けない 飲まない 吸わない 健康マージャン』でないことを、私は願うばかりである。

 

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ライブレポート/鎌田純子

 2016年8月28日、鳥取県鳥取市にあるBook Cafeホンバコの2階、客席は10席ほどの小さな空間で開催された鎌田純子『Hello!ツアー〜鳥取編〜』。(セットリストは最後尾に記載)

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 大阪の音楽専門学校を卒業し、2002年から活動を重ね、今までに10枚のオリジナルCDをリリースしている鎌田純子。同じ専門学校を卒業した今川瞬(ギター)と共に年間150本を超えるライブを展開している。

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(左:鎌田 純子 右:今川 瞬)

  開演5分前に会場に到着した私は、小さな会場にもかかわらず彼女を探してしまった。彼女は、会場に集まった観客たちとあまりに自然に溶け込み、笑顔で会話をしていた。ライブ直前であるにも関わらず緊張感は全く感じさせず、ライブ開始までの時間を楽しんでいたようだ。人懐っこい彼女が、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、とても楽しみになった。

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 今回のライブで2回目、約8ヶ月ぶりの来鳥となる。開始時間になり、「帰ってきましたー!」と彼女が挨拶をすると「おかえり!」と会場からの声。「なんか泣けるやん」とかわいらしい関西弁で返すといよいよライブが始まった。といっても、観客との距離感は開演前とほとんど変わらない。マイクも、スピーカーも、アンプも、ステージすら使わない。そこにあるのは、今川瞬が奏でるアコースティックギターと鎌田純子の歌声だけだ。

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 まず1曲目は「愛の人」。手塚治虫が大好きという彼女が、愛に溢れる手塚治虫のことを思って作った曲だという。優しい彼女の歌声は、私の心配はよそにマイクがなくても、ふんわりと会場を包み込んだ。

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 2曲目「ただ声になって」はしっとりと切なく、時には彼女の小さな体から放たれる力強い歌声で、会場を一気に魅了した。3曲目「ツキハズム」では、彼女のうますぎる口笛と、会場を軽快に歩いたり、観客の隣に座ってみたりと、さっきとは打って変わって無邪気なかわいらしい少女のような仕草により、会場にも自然と笑顔が溢れる。

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 この後は、彼女にとって特別な存在だと語るスピッツのカバーが続く。「スピカ」「うめぼし」「涙がキラリ☆」「謝々!」「猫になりたい」など少々マニアックな曲も合わせながら、鎌田純子バージョンに見事に変換し、とても楽しそうに歌い続けた。

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 9曲目「悲しみが果て」に続き、10曲目「ラッシー」は会場とのコーラスを試みるが、思いの外難しいメロディをうまく歌うことができない観客。みんなで何度か練習を重ね、なんとか最後は歌えるようになって一安心。こうして、和気藹々と前半が終了した。

 少し長めの休憩をはさんだが、今川瞬がおもむろにギターを弾き始めると、自然と後半のライブが始まった。

 初めて歌ったという「はじめてのチュウ」のカバーから始まり、2番の「デートコースはもう決めたんだ」というフレーズを「デートコースは砂丘に決めたんだ」と鳥取バージョンにアレンジし、鳥取市民の心をつかむ。

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 その後は新曲が続き、12曲目「まじゃれん」は今までのふんわりとした曲調とは異なり、鎌田純子の進化形態を思わせるような曲だった。気がつくと自然と体がリズムに乗って揺れてしまうようなダンスミュージックが新鮮に感じた。13曲目「のけもののけもの」は、これからもっとアレンジを加えていきたいという新曲らしく、ここからどう変わっていくのか、とても楽しみである。

 ここで、Book Cafe ホンバコ店長お待ちかねの、アイドルグループももいろクローバーZカバータイムに突入。彼女も隠れモノノフ(ももクロ好き)らしく、私も噂には聞いていたがまさか本当に披露してくれるとは思っていなかった。「サラバ、愛しき悲しみたちよ」と「走れ!」を時折ダンスやコールも交えながら会場を盛り上げる。原曲は電子音たっぷりだが、アコースティックギターと鎌田純子の歌声で、ちょっぴり大人な雰囲気で楽しめるアイドルソングを堪能することができた。

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 終盤に差し掛かると、先ほどまでの賑やかさが嘘のように、しっとりと静かに「週末のこと」を歌い、優しく包み込むような透き通った歌声で「朝が来るまで」を歌い上げ、会場の空気を一気に変えた。

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 そして、最後の曲「かさねる」。毎日のように様々なライブをしている中で、場所も違い、空気も違い、人々も違う中で、その時しか感じられない重なりを大切にしていきたいという、彼女たちの思いが詰まった曲でライブを締めくくった。

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  全19曲というボリュームたっぷりのライブだったが、あっという間に時間が過ぎていた。その中で、少女のような無邪気さ、大人になってしまったからこその切なさ、芯のある力強さと優しさ、包み込まれるような心地よさを味わうことができた。また、あの小さな空間だったからこそ、表情、詩、メロディ、歌声、演奏を通して、彼女たちの作り出す世界をダイレクトに感じることができたことはとても貴重な経験であった。

 高校生の時にアルバイトをしながら、スピッツのライブを観るために各地に通う追っかけをしたという鎌田純子。それがあったからこそ、旅の楽しさを知り、世界を広げてくれる音楽の素晴らしさに気づいたと語っていた。

 現在彼女たちは、青春18きっぷの期間を主に利用しながら各地のツアーを組み、地方への移動は基本的に電車を利用しているという。あの時高校生だった少女が、今まさに旅を楽しみながら、自分自身で音楽を作り、今度はアーティストとして、日々のライブを楽しんでいるのだ。そして彼女もまた、多くのライブを通して様々な人たちに影響を与えているアーティストであることは間違いない。

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  セットリスト

  1. 愛の人
  2. ただ声になって
  3. ツキハズム
  4. スピカ(スピッツ
  5. うめぼし(スピッツ
  6. 涙がキラリ☆スピッツ
  7. 謝々!(スピッツ
  8. 猫になりたい(スピッツ
  9. 悲しみが果て
  10. ラッシー
  11. はじめてのチュウ(あんしんパパ)
  12. まじゃれん
  13. のけもののけもの
  14. サラバ、愛しき悲しみたちよももいろクローバーZ
  15. 走れ!(ももいろクローバーZ
  16. 週末のこと
  17. 朝が来るまで
  18. 雨のこもりうた
  19. かさねる  

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おばあちゃんち。

お盆に久しぶりにおばあちゃんちに行った。

久しぶりと言っても、実家から20分ほどで着くおばあちゃんち。子供の時は、毎週日曜日に必ず通っていたほどで、全然夏休みのネタにならないおばあちゃんちだった。

人前では普通ぶって「おばあちゃん」と呼んでいるけど、子供の時から「ばーば」と呼んでいるので、30歳を過ぎた今でもおばあちゃんのことは「ばーば」と呼んでいる。

ちなみに「おじいちゃん」は9年前に亡くなってしまったけど、「じぃ」と呼んでいる。決して執事を呼ぶような「爺っ!」みたいな強い感じではなく、孫が呼ぶかわいい感じの「じぃ」である。

しかし、別に呼び方のカミングアウトをしたかったわけではなく、久しぶりにゆっくりとおばあちゃんの家で過ごしていたら、懐かしいもの(私にとってだけだけど)がたくさんあったので勝手に紹介しようと思う。

※やっぱり少し恥ずかしいので、ここからは普通におばあちゃん・おじいちゃんで話を進める。

 

まずは、電話の横に下げてある、よく電話をかける人たちの電話番号一覧表。おそらく1992年、某石油株式会社から日めくりカレンダーをもらい、それを使い切ってからは便利な掲示板として、おじいちゃんとおばあちゃんの大きなメモとして、20年以上使われているのであろう。やはり電話番号には、携帯電話の番号が一つもない。

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そして、右側の手紙などを一時保管しておく入れ物。これも物心ついた時から、ずっとある。手紙は一通も入っていないし、こちらも掲示板と化していた。

 

そして、ぜんまい時計。

たぶんずーっとここにいる。絶え間なくコチコチコチコチ鳴っているのが妙に落ち着く。おじいちゃんがいた頃は、よくぜんまいを巻いているところを見ていた気がするけど、今はたぶん隣に住んでる叔父ちゃんが巻いてくれてるんだろうな。

よく見るとなかなかかわいいフォントの数字だ。

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それと、こちらも柱にずーっと貼ってある温度計。目盛りが全滅で、なんだかわかんない。でも、全体的にかわいいのでよし。

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そんな中でも、一番懐かしく感じたのはコレ!

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台所にあるレトロで超かわいい調味料入れ。たぶん、30年以上現役だ。形見に欲しいな。

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同台所。相変わらずこの乱雑にぶら下げつつ、見せる収納を続行中のおばあちゃんが大好きだ。

 

寝室に移動。ここは本当に久しぶりに足を踏み入れたかも。

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無駄に強そうな龍と、隣で冷静に龍を眺める貫禄のあるヒゲのおじさん。子供の時お泊まりすると、寝るまでずーっと布団の中から眺めてたっけ。どうもお久しぶりです。

 

この緑の延長コードもずーっとある。

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このコードの絡まり具合を見ると、もはや延長コードとしての役割を果たしているのか謎だけど、これもめっちゃかわいい。形見その2に決定。

 

洗濯物公開になっちゃうけど、これもたまんない。

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丈夫そうだし、すっごい干しやすそう。カルピスソーダみたいな洗濯ハンガー。

 

脱衣所。このコンクリート壁にどうやってくっつけてあるのかわからない「キリンモータース 岡金次郎」さんから頂いたであろう大きな鏡。

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岡金さんは、ずっとおばあちゃんちの脱衣所でみんなの裸を見守ってくれてるんだね。ありがとう。

 

お風呂場。

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今までなんとも思ってなかったけど、お風呂場に洗濯機があるなんて結構斬新。不揃いな石のタイルとステンレスの浴槽がいいんだよなぁ。おじいちゃんとよく一緒に入ったな。おばあちゃんともよく一緒に入ったな。初めて一人で入った時は、おじいちゃんの真似してカミソリを顔に当てて遊んでたら、顔が血だらけになってたな。うん、無事でよかった。

 

おばあちゃんは、昭和3年生まれの88歳。まだタバコも吸ってるし、相変わらず元気そうだった。

太巻きの中身を全部食べてから、残った海苔とご飯をコンパクトに潰して小さい口に運んでいた。近所の神社の夏祭りのことを楽しそうに話してくれた。なんだかとても幸せな時間だった。

金髪になっても、銀髪になっても、笑って迎えてくれるやさしいおばあちゃん。

まだ予定もないのに、少し結婚資金もくれたおばあちゃん。

30歳超えてるのに、おこづかいをくれるおばあちゃん。

心配するからって、仕事を辞めたことも、鳥取に住んでいることも、まだ言ってないんだ。

だから、埼玉に帰った時にはちゃんと顔出すね。

二人で話してる時、こっそり動画撮ったんだよ。鳥取に帰ってきてからも、毎日おばあちゃんの動画を見て癒されてるよ。

ありがとう。

今度はちゃんとカメラを持っていって、大好きなおばあちゃんちとおばあちゃんを記録しよう。

 

あれ?こんなにセンチメンタルになる予定じゃなかったのにな・・・

うーん、ホームシック・・・(笑)

 

 

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