はい、風邪気味です。
1月31日に職業訓練校を卒業し、2月1日から新しい職場も決まり、1年ぶりに会社員に戻った。
その矢先、風邪をひいた。鳥取に来てから、やたらと風邪をひく。どうにか平日は持ちこたえたものの、土曜日はダウン。心細い上に、私が唯一頼りにしているパブロンも切らしていたため、力をふりしぼって出かけることにした。
まず立ち寄ったのは「わたせ」。
毎週土曜日に通っていたが、2月に入ってからは出勤前とお昼休み、1日2回お世話になっている喫茶店。毎日通ってはいるものの、ゆっくりと過ごすことがなかなかできなかったので、土曜日にいつも通り過ごせるのを楽しみにしていたのだ。体調的にコーヒーが飲めるテンションではなかったが、おかあさんに会いたくてつい入ってしまった。
おかあさんは風邪をひいている私を見て、コーヒーではなくビタミンが豊富だからとお抹茶を出してくれた。さすがである。
出かけるまではだるさがひどかったけど、わたせでゆっくり過ごしていたら、少し楽になった気がした。温かい鍋にして食べなさいと、帰りに鳥取県産「やなぎまつたけ」とにんじんをお土産にもたせてくてくれた。
本当にお母さんみたいで、わたせのおかあさんに出会えただけでも、鳥取に住んでよかったなと思える、私にとって大切な存在である。
次は、薬の調達。病院に行こうかとも思ったが、リノベーションスクールがきっかけで出会った「吉田一陽堂薬局」に立ち寄ってみる。少し忙しそうな吉田さんには会釈をして、従業員の方に対応してもらう。症状を細かく聞いてくださり、それを伝えると総合かぜ薬と栄養ドリンクをお勧めしてくれた。
会計を済ませると、吉田さんが声を掛けてくれた。体温計を持っていないので、熱があるかどうかもわからなかった私に、体温計を貸してくれる。熱は、37.2℃。平熱が低い私にとっては少し高めの体温だったが、「体が戦うにはちょうどいい温度だから、あまり冷やさない方が良いね」と生姜の入った温かいドリンクを差し出してくれた。
帰り際には、鼻をかみすぎて赤くなった鼻の下を見て、クリームまで持たせてくれる心遣い。病院に行くよりずっとよかったかもしれない。
家に帰ってから、鍋はできなかったけど、わたせのおかあさんに教わったさつまいものおかゆを作り、それを食べ、かぜ薬を飲んで、栄養ドリンクを飲み、鼻の下にクリームを塗って、眠りについた。
そして、朝を迎えた。完全復活。昨日のだるさが嘘のように体が軽くなっていた。
ふと地域で暮らすってこういうことなのかな、なんて考えた。
今までは地元といっても、行きつけの喫茶店があるわけじゃなく、行きつけの薬局があるわけでもなかった。
毎日朝から夜まで仕事して、休みの日は都内に遊びに行って。家族でも友達でもない誰かと深く関わることなんて、何もなかった。
鳥取では、ずっとそこで暮らしてきた人の温かさを感じることができる。
だから、私もまずはきちんとここで生活してみようと思った。普通に仕事をして、日々を暮らす。その中でしか、見つけられないことがきっとたくさんある気がする。
今までどこか非日常的だった鳥取での生活を、日常にして楽しみたいな。
おかあさん、吉田さん、おかげさまで私は元気になりました。
明日から、また仕事をがんばります。
本当にありがとうございました。
そして、これからもどうぞよろしくお願いします。