くろみき電波塔。

とりあえず続ける。

今さらだけど、でんぱ組.inc『WWDD』

前置き

今日、ふと思い出して何気なく読み返していました。

2015年2月18日に発売されたでんぱ組.incのアルバム『WWDD』について、去年の年末にでんぱ組.incへの愛が溢れて書いたものです。完全に自己満足だったけど、新しいアルバムも出ちゃってるけど、少しは表に出してあげようかなーと思い、載せてみました。

ブログも始めたし、また再開してみようかな・・・。

 

『WWDD』でんぱ組.inc  

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 私が現実逃避するときにいつもお世話になっているアルバム。秋葉原メイド喫茶、ディアステージの従業員ディアガール6人によって結成されたアイドルグループでんぱ組.incの3rdアルバム『WWDD』である。


 まるで、6人のアニメキャラクターが歌っているかのように、彼女たちの歌声は個性に溢れている。ほとんどの曲のサビは全員で歌い、サビ以外は6人でほぼ均等にパートが割り振られているわかりやすい構成。それでも、マンネリにならないのは、曲によって、いや曲中のフレーズに合わせて、彼女たちの歌声が変化しているからだ。中でも「NEO JAPONISM」はアイドルらしからぬ逞しい声を交えながら歌い、「ちゅるりちゅるりら」はBPM200近い速度に乗せて凛々しく、力強く、カッコよく歌い上げる。これらは、いわゆる”でんぱ組.incらしい”楽曲である。

 そして、それらとは対象的に清竜人作詞作曲の「まもなく、でんぱ組.incが離陸致します」、「Dear☆Stageへようこそ」では、これでもかと言う程、2次元の中のアイドルのような現実離れしたかわいい声で歌い、見事に清竜人好みに変身している。

 また、終盤の「イロドリセカイ」でも、でんぱ組.incの新しい魅力が引き出されている。BPMでんぱ組.inc史上最遅85前後のゆっくりとした曲で、しっとりと歌い上げる。楽曲としての”でんぱ組.incらしさ”はなく、他のアイドルが歌っていても違和感はないだろう。

 しかし、このような楽曲であっても、彼女たちの個性はなくならなかった。それは、ただ言われるがままに歌わされているのではなく、彼女たちがこの楽曲を彼女たちなりに消化した上でキャラクターを作り、彼女たちなりの歌声でアウトプットしているからであろう。このように、気持ちが良いほど作り込まれた彼女たちのキャラクターがあるからこそ、でんぱ組.incの作り出すファンタジーをファンタジーとして素直に気持ち良く受け取り、現実逃避できているのかもしれない。


 そして、私の考えるでんぱ組.incのもう一つの魅力。それは、程よいサブカル感である。ここ最近は、何かにつけてマイナー志向の人が増えている。誰もが知るアーティストよりもみんなが知らないアーティストを好み、”これ聴いている自分、なかなかおしゃれでしょ”的な人がたくさんいる。でんぱ組.incはそういった人たちを取り込むのが得意であると考える。今回のアルバムジャケットでも着用しているセーラー服の衣装はデザイナーMIKIOSAKABEと美術家の愛☆まどんなによるものである。今でこそ、アーティストとアイドルのコラボレーションもよく見るようになったが、彼女たちが火付け役になっているのは確かである。このあたりが世の中に溢れるサブカル女子、サブカル男子たちに興味を持たせるきっかけとなる。きっかけさえあれば、そこからはさすがアイドル。外見、歌声等の魅力に加え、内に秘めた個性豊かな彼女たちの人物像を知れば知るほど、どんどん気になる存在になってしまうだろう。なぜなら、彼女たちこそゲーム、アニメ、漫画、ネットゲーム、コスプレなどサブカルチャーを極めているのだ。もう興味を持たずにはいられない。そうなってしまえば、現在のように誰もが知るアイドルになりつつあっても、そう簡単にその層のファンは減らないだろう。実際、私がそうであるように。


 そして、このアルバム発売後の2015年9月に発売された「あした地球がこなごなになっても」では漫画家である浅野いにおでんぱ組.incのために作詞をしている。また相変わらず彼女たちは、サブカル女子とサブカル男子の心をちょうどよくくすぐってくるのである。

 

 

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